CO2レーザマーカ

LP-400:GS1Databarの印字が薄い、削り残しの対応について

LP-400:GS1Databarの印字が薄い、削り残しの対応について

GS1Databarを印字する際に、『印字が薄い』、『削り残しが発生する』場合には

下記の要因が考えられます。

◆ワーク間距離のズレ

 レーザマーカは集光レンズでレーザ光を集光し、エネルギー密度を高め

 て印字しており、レーザスポットが一番集光される距離をワーク間距離

 (レーザヘッド接地面からワークまでの距離)と言います。
 対象ワークがこのワーク間距離からずれると、エネルギー密度が下がり

 印字が薄くなる症状が発生します。
 GS1Databarの印字で多く用いられるLP-430Uのワーク間距離は185㎜です。
 デュアルポインタや金尺などで距離を測定することで焦点が合っている

 か確認することができます。

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デュアルポインタ

 

◆レンズの汚れ

 煙やススなどの付着によりレーザマーカの集光レンズが汚れると、レーザ

 光の軌道が遮られ印字が薄くなることがあります。

 清掃方法は、埃などを光学レンズ用のエアダスタで吹き飛ばした後で柔ら

 かい布で軽く拭いて下さい。

 また、汚れがひどい場合はエタノールを染み込ませた布で拭いてください。

 汚れが付いたままの状態で使用すると、レンズに焼き付きが生じることが

 ありますので、定期的な清掃をおすすめします。

 

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◆煙や粉塵によるレーザ遮光

 集光レンズへの汚れ付着と同じように集光レンズ と対象ワークの間に

 遮蔽物がある場合にも印字が薄くなることがあります。
 集塵機の効果が弱まり、印字時の煙が照射軌道に流れている場合などに

 この症状が発生することがあります。
 集塵機の正常稼働の確認や、吸気方向の取り回しなどにより改善する場

 合があります。

 

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◆ワークの材質/ベタ部仕様の変更

 レーザマーカは、レーザの光が対象ワークに吸収される際に発生する熱を

 利用して印字を行います。

 光の吸収率は色や材質によっても変化するため同じ印字条件でレーザ印字 

 をしても、カートナーの紙質や塗料の材質が変更されると印字品質が変わ

 ることがあります。
 材質変更により印字が薄い場合は、レーザパワーの設定値を10~20%程度上

 げるなどその材質にとっての最適条件を見直す必要があります。

 

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◆経年劣化によるパワーダウン

 LP-430Uに搭載されているCO2レーザ発振器は寿命があり、導入時から

 経年的に出力がゆるやかに減衰していきます。
 出力の低下分はレーザパワー設定値を上げて補填することで印字品質を

 保つことが可能ですが、調整が必要な頻度が早まってきた場合や、導入

 より5年以上経過している製品についてはオーバーホールを推奨してい

 ます。