A6シリーズ

Err16.0 オーバーロード保護 について、原因と処置を教えてください。[30074]

Err16.0 オーバーロード保護 について、原因と処置を教えてください。

【原因】
サーボアンプは、出力したトルクの実効値に基づいて負荷率を計算します。
この負荷率が、設定された過負荷レベル(初期設定値は115%)を超えると、オーバーロード保護が発生します。


【処置】
負荷率の確認方法は、アンプの前面パネルの「d15.oL」のモニタモードやPANATERMのモニタの「負荷率」機能を使用します。
特定の動作中の部分の負荷率を知りたい場合は、PANATERMの波形グラフィック機能を使用してトルク波形を測定し、カーソルで区間を指定すると、その区間のトルクの実効値が表示されます。


(1)モータが振動してオーバーロード保護が作動する場合
①第1・第2速度ループゲインを下げると効果があった場合
 →振動が発生している可能性がありますので、ゲインの再調整または速度ループゲインの低下を検討してください。
②無負荷でイナーシャ比が設定されている場合
 →イナーシャ比Pr0.04を初期設定に戻してください。
③UVWの配線が正しく接続されているか確認してください(特にアンプ側)。
④第1・第2位置ループゲインを下げると効果があった場合
 →位置ゲインが速度ゲインに比べて過大に設定されている可能性がありますので、位置ゲインの低下、または速度ゲインの上昇、イナーシャ比の増加を検討してください。
※ゲイン切替無効時は、第1のみが有効です。ゲイン切替時は、パラメータを参照し、有効な方を変更してください。

 

(2)モータが動かずオーバーロード保護が作動する場合
①モータの電源線の配線が正しく接続されているか、接触不良や断線がないか確認してください(複数軸の場合、テレコになっている可能性もあります)。
②電磁ブレーキが解除されているか確認してください。ブレーキに+24Vdcを供給してブレーキを解除し、サーボOFF状態で外部から回すことができるか確認してください。
 回すことができない場合は、24V電源と配線を確認してください。
③サーボOFF状態で外部からモータ軸を回すと、重たく動かない場合は、メカニズムや減速機のロック状態を確認してください。


(3)モータが動いていてオーバーロード保護が作動する場合
アンプまたはPANATERMのモニタで負荷率を確認しながら以下の処置を行ってください。
①水平軸の場合、停止時間を増やすと効果があります。容量が不足しているため、モータやアンプの出力を増やしてください。
 一時的な対処方法として、加減速時間や停止時間を増やすことも考慮してください。
②垂直軸の場合、上昇停止時のトルクが115%を超えている場合は、容量が不足しているため、モータやアンプの出力を増やしてください。
③電磁ブレーキが解除されているか確認してください。ブレーキに+24Vdcを供給してブレーキを解除し、サーボOFF状態で外部から回すことができるか確認してください。
 回すことができない場合は、24V電源と配線を確認してください。
④旧シリーズからの置き換えの場合は、波形グラフィック機能を使用してトルクの実効値を確認してください。旧シリーズでは負荷率の計算が粗い場合があるため、注意してください。