GX-HL15Aを安全用途で扉の開閉確認に使用できないのは、なぜですか?
GX-HL15Aを安全用途で扉の開閉確認に使用できないのは、なぜですか?
次の2点が挙げられます。
1) GX-HL15Aを使用すると、
ISO13849-1(JIS B 9705-1:2019) 機械類の安全性
- 制御システムの安全関連部 - 第1部:設計のための一般原則、およぴ、
ISO13849-2(JIS B 9705-2:2019) 機械類の安全性
- 制御システムの安全関連部 - 第2部:妥当性確認
に対応することができない。

⇒ ISO13849-1(JIS B 9705-1:2019)では、カテゴリ要求事項のなかで、
カテゴリ1以上では、“十分吟味された安全原則”を用いること。と規定されて
います。
(カテゴリは、PL(パフォーマンスレベル)を決定するための要素の一つで、
リスクアセスメントにより決定する必要があります。)
“十分吟された安全原則”とは、ISO13849-2(JIS B 9705-2:2019)
附属書D.2 で、複数規定があり、その中に、故障(障害)モードの非対象、
非対象故障モードコンポーネント、または、システム使用の内容が規定
されています。
GX-HL15Aは、汎用の高周波発振型近接センサであり、万一、内部故障が発生
した場合、安全側に壊れるのか?/危険側に壊れるのか?が、不定(定まって
いない)となります。
このため、非対象故障モードのシステムを構築することができません。

2) GX-HL15Aは、ISO14119:2013 (JIS B 9710:2019) 機械類の安全性
- ガードと共同するインターロック装置 - 設計及び選択のための原則 に対応
した安全機器でない。
⇒ ISO14119(JIS B 9710:2019)では、『インターロック装置を無効化しようと
する動機を最小化するような方法で設計しなければならない。』と要求されて
います。
GX-HL15Aの検出面に身近な金属ピース(例:コイン)をテープなどで固定すると、
出力がONとなり、扉を閉じている状態と同じ出力状態となります。(図4 参照)
この結果、ハザード(危険源)は稼働状態となります。
扉を開けている状態なので、作業者が手などの身体を扉の中に意識して、もしくは、
無意識のうちに入れることができてしまい、稼働中のハザード(危険源)にエクス
ポージャ(暴露)され、非常に危険です。


安全用途の場合、機械安全に関する国際規格、JIS規格に適合している、SG-P
シリーズ(+セーフティコントローラ)をご使用願います。
